「第5期 TOPANGAチャンピオンシップ」で優勝したこばやん選手が、ザンギエフで「ジャンプキャンセルスクリュー」というテクニックを駆使したことでSNS上でも話題となってました。
解説でも当たり前のように「ジャンプキャンセル」という言葉が飛び交ってましたが、知らない方もいらっしゃると思うので、ジャンプキャンセルの仕組みと、使うことのメリットについて解説します。
【追記 2024/12/02】ver.1.08のアップデートで「ジャンプキャンセルコマ投げ」ができなくなりました。ジャンプキャンセルという仕組み自体はあるものの、コマンド投げが受ける恩恵がなくなったので、この記事の一部の説明は過去のものであることをご了承ください。
ジャンプキャンセルの仕組み
スト6に限らず、格闘ゲームでは上方向に入れた瞬間にジャンプするわけではありません。
ジャンプするまでに若干の時間があり、数フレーム経過後に空中に飛び上がります。
地上から飛び上がるためのアニメーションを数フレーム入れないとグラフィック的にいきなり宙に浮くような演出になってしまうため、地面に踏ん張る時間があるんだと認識しています。
空中に飛び上がるまでの数フレームを「ジャンプ移行フレーム」と呼んだりします。
この地上にいる間に必殺技を出してジャンプをキャンセルすることを「ジャンプキャンセル」と呼んでいるわけです。
ちなみに、ジャンプ移行フレームはキャラごとに異なっていて、ほとんどのキャラは4F、ザンギエフとリリーは5Fだそうです。(ネット情報を鵜呑みにしてるので間違ってたらごめんなさい)
ジャンプキャンセルすることのメリット
上方向に入れて空中に浮くまでにジャンプ移行フレームが数フレームあるわけですが、このジャンプ移行フレームにも投げ無敵があります。
上方向に入れた瞬間から投げ無敵が付与されているため、地上にいるけど投げは抜けられる瞬間が存在します。
ジャンプキャンセルはこの仕様を生かして、上方向に入れた瞬間の投げ無敵を利用して起き上がりに重ねられた投げを回避し、その次の瞬間にジャンプをキャンセルして必殺技を出すことで相手にダメージを与える用途で活用されています。
ただし、ジャンプをキャンセルして必殺技が出た瞬間に「ジャンプ移行フレームの投げ無敵」はなくなるため、必殺技が出ている瞬間に相手の投げの持続フレームが重なっていると相手に投げられてしまいます。
ジャンプキャンセルをしたら投げ無敵になるわけではなく、投げ無敵を利用して相手の投げを回避できるフレームが数フレーム存在するだけであることを理解しておく必要があります。
こちらの詳細はどぐら選手が配信で語ってましたので、切り抜き動画をどうぞ。
どんな時にジャンプキャンセルを使うと良いのか
以上の仕様を踏まえると、ジャンプキャンセルは「投げ重ね対策」であることがわかります。
相手が打撃を重ねていた場合、しっかりと重なっていれば上方向に入れている時点で地上やられとなります。
もししっかり重なってなければジャンプ移行フレームの後に打撃が当たったりして空中やられになることもありますが、打撃技の持続フレームが起き上がりに重なっている限りは、上方向に入れていると抜けることができません。
一方で投げがしっかり重なっている場合は、起き上がる側は何かのボタンを押していても打撃が出る前に重ねられた投げを食らってしまいます。
重ねられた投げを抜けるためには、グラップするか投げ無敵で抜ける必要があるわけです。
グラップ以外の対策としては投げ無敵を生かすしかなく、OD無敵技やSAでの無敵技がないキャラやゲージ状況によってはジャンプで回避するしかありません。
そのジャンプをキャンセルして必殺技を出すことで、ジャンプ移行フレームの投げ無敵を利用して相手の投げを回避し、相手の投げモーションの隙に攻撃を当てることができます。
こばやん選手が使っているザンギエフは、OD無敵技がなく、SA1は空中の相手にしか当たらない特殊な技なので、ジャンプキャンセルスクリューパイルドライバーを駆使してダメージを取っていたわけです。
ただ、前述した通り「ジャンプキャンセルをした瞬間にジャンプ移行フレームの投げ無敵がなくなる」ため、相手が+5F有利を取った連携の際に投げ重ねをしてきたらジャンプキャンセルスクリューをする、という知識も必要となってきます。投げの持続フレームが切れたタイミングでジャンプキャンセル必殺技を成立させないといけないですからね。
ジュリなら上り前ジャンプ中PでOK
キャラによってはジャンプキャンセルを使わなくても投げ重ねに対して強力な返しができます。
キャミィなら低空ODキャノンストライク、春麗なら低空百烈脚、そしてジュリなら上り前ジャンプ中PキャンセルOD疾空閃です。
ジュリにとってかなり強力なダメージソースなので、僕はなるべく普段投げは受け入れて、相手に「この人投げは捨ててるな」と思わせておいて、いざという時に上りジャンプ中Pからのコンボを入れて大ダメージを取る戦略をよく使ってます。
代表的なコンボは下記の記事にまとめてますので、参考にしてみてください。
最後に
ジャンプキャンセルは、ジャンプ移行フレームが長くて上方向でコマンド入力が完了するザンギエフに向いているテクニックだと思ってます。
他のキャラでも活用はできそうですけど、入力難易度が高くて安定感はないですよね。
ジャンプキャンセルしなくても逆択が強力なキャミィ・春麗・ジュリは、これまで通りの戦略で良いと思います。
また、モダンのワンボタン必殺技なら入力が簡易なので、キャラによっては狙ってみてもいいかもしれませんね。