ナレーション録り用マイクとして評判の良い「SHURE SM7B」。以前から気になってたんですが、人気YouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」のスタジオ常設マイクにSM7Bが採用されてました。
これまで彼らが使用していた「SHURE SM58」との性能差が分かりやすかったのでご紹介します。
目次
SM7BとSM58の音声を聴き比べてみる
SM7Bは、YouTuberやストリーマーを中心に使用者が増えているマイクで、5万円台という「買おうと思えば全然買えるけど、サクッと買うにはちょっと手が出しにくい」という絶妙な価格設定から「使ってる人はガチ」という印象があります。
そんな人気のSM7Bですが、正直単体で聞いてもどのくらい良いのか分かりにくかったんです。レビューしてるYouTuberもたくさんいるんですが、部屋で1人でマイクチェックしても分かりにくいことは多々あって。
というわけで、これまでSM58を使っていたゆる言語学ラジオのお二人がSM7Bに乗り換えて収録した動画は、実践投入するとこういう音っていうのが分かりやすかったんです。
ちなみに、紹介する動画は「ゆるコンピュータ科学ラジオ」というYouTubeチャンネルですが、ゆる言語学ラジオのお二人がやっている姉妹チャンネルで、同じスタジオで収録されてます。
SM7Bを使った例がこちら。新しいマイクを使用した初めての収録回のようです。
そして、SM58を使った例がこちら。上記動画より1本前の動画ですね。
僕の感想として、SM7Bの方がレンジが広くて高域から低域までちゃんと録音できていて聞き取りやすい印象でした。
SM58と比較してようやく分かったことですが、SM58だと低域が持ち上がりすぎて笑い声の「ボフッ」っていう音が不快に感じたり、歯列音(サ行のど頭の音)がうるさく感じます。
SM7Bが太い音で、SM58が細い音、っていう感じがするのは、SM7Bの方がレンジが広くて情報量が多くて解像度が高いからでしょうね。
歌唱用ダイナミックマイクの定番であるSM58は、値段が手頃で入手しやすいし頑丈で何年も使えるのが最高なんですけどね。SM7Bと比較するまでは正直そこまで気にならなかったですし、試聴環境によっては全く問題ないと思うんですけど。
ダイナミックマイクでトーク番組作りをする時のメリット・デメリット
ダイナミックマイクの最大の魅力は、指向性の狭さ。しゃべり以外の余計な音声をマイクに入れずに済むのは強力なメリットです。
先ほど事例で挙げた動画をご覧いただくと分かりますが、話者同士の距離が結構近くて、この距離でも相手の声をあまり拾わず、自分の声だけを収録できます。
ラジオ局でもダイナミックマイクが使われていることが多くて、それも同じ理由だと思ってます。狭いスタジオでたくさんの人が同時に喋っても問題ないようにダイナミックマイクが適してるんですよね。
デメリットとしては、マイクにかなり近づかないといけないこと。映像コンテンツであれば画角に入れないとまともに収音できません。
カメラの画角にマイクをなるべく入れないようにするためには、ピンマイクかガンマイクをチョイスする必要があります。
音質と絵作り、どちらを優先するかによってどちらにするか選ぶのが良いと思います。
ちなみに、歌唱用のコンデンサーマイクを使ってトーク番組を作るのは一番難しいと思います。
コンデンサーマイクは静かな部屋で1人で使ってこそ生きるので、自室で1人しゃべり系のコンテンツであれば使うのもありです。
映像制作に使うマイクに関連する記事
映像制作に使うマイクに関して、これまで書いてきた記事をいくつか貼っておきます。
マイクの選び方のヒント
先ほどダイナミックマイクのメリット・デメリットのところでも書きましたが、マイク選びのヒントとなる記事を過去に書いてます。
こちらの記事内でもSM7Bを紹介してました。
プロ御用達のガンマイク「MKH 416」
映画撮影現場にて、「MKH 416」を使う機会がありました。
あまりの素晴らしさに買いたくなったんですが、15万円ほどするのでヒヨってます…。
ただ、息を呑むほどいい音で録れるマイクでした。
2023年1月時点での最強ピンマイク
僕は複数人でのトークコンテンツ作る時にはピンマイクを使うことが多く、現状最強だと思ってるのは「ZOOM F2-BT」です。
とはいえピンマイクでも使用上の注意点は多々あるので、僕の体験からのtipsも貼っておきます。
最後に
2023年1月現在、SENNHEISER MKE600でナレーション録りしてまして、SM7Bにしようかなってちょっと思いました。
下記の動画がMKE600で録音したものなんですが、このように顔を出さずに画面のキャプチャーだけで完結するならガンマイクである必要性がないんですよね。というわけで検討しようと思います。