本格的な動画撮影をするようになるとlog撮影してカラーグレーディングして、っていうワンランク上の撮影・編集技法にも手を出したくなりますよね。
僕自身もようやく重い腰を上げてlog撮影をするようになっていろいろと実験してまして、現状分かっているlog撮影のメリットとデメリットをまとめました。
目次
log撮影の特徴
log撮影というのは、ダイナミックレンジ広めの映像を記録して、編集時の自由度を高める撮影方法です。
写真でいうところのRAWみたいなものなんですけど、映像でもRAW撮影っていうのはあって、RAWで動画を撮るとデータ量がとんでもなく膨大になってしまうため、手軽に撮影できるようにしたのがlog撮影っていう認識で良いと思います。
こちらがlog撮影した映像のキャプチャー。こんな具合に色が抜けた映像として仕上り、ここに編集で色をつけていくわけです。
log撮影のメリット
log撮影のメリットを一言で言えば「編集時の自由度が高まること」です。
先ほどのキャプチャー画像のように、彩度が低い淡い映像として記録されているので、その上に自由に色をのせることができるんです。
色をのせてみたところがこちら。肉眼で見た色味に近い感じに整えてみました。色鮮やかになりましたね。
映画のようなカッコ良い映像はほとんどの場合logで撮影されたものを編集して色付けしているので、シネマティックなカッコ良い映像を作りたい場合は迷わずlog撮影した方が良いでしょう。
ちなみに、最も恩恵を受けるのは事故防止だと僕は思っていて、明るすぎて白飛びしたり暗すぎて黒つぶれするリスクを減らすことができるのは大きなメリットです。
調理場の撮影をさせていただく機会があって、調理工程をカメラで追っていると、鉄板の方が暗くてまな板が白飛びするっていう事故が起きがちです。そんな時のためにlog撮影しておくと編集でどうにかできるので撮ってるときに安心なんですよね。
log撮影のデメリット
カッコ良い映像に仕上げることができて事故も防げるlog撮影ですが、デメリットもありますので順番にご紹介します。
撮影できるカメラが限られる
logでの撮影ができるカメラは選択肢がそれほど多くなく、どれもそこそこ高額なカメラになってしまいます。
僕が使っているEOS R6はlog撮影できますし、「10bit」という細かい諧調で記録できるモードにも対応してますが、30万円くらいします。
log撮影するためには結構な初期投資がかかることを覚悟しないといけません。
編集時に一手間必要になる
編集時に自由度が高まるということは、逆にいうと編集しないといけないので、編集の手間をかけなければいけないのもデメリットです。
カラーコレクションやカラーグレーディングっていう作業をしないと、先ほど紹介したような彩度もコントラストも低い、薄いグレーな映像になっちゃうんですね。
カラーグレーディングをするための編集ソフトも限られますし、ゴリゴリ編集したいという方じゃないと手を出すべきではない撮影方法だと思います。
データ容量が大きくなる
ダイナミックレンジを広く撮影するため、データ容量も大きいです。
綺麗な映像を撮るためなら多少データ量が大きくなっても良いとは思いますが、撮りたい映像が長尺だった場合には何度もSDカードを交換することになってしまいます。
log撮影は8bitか10bitか
一言にlog撮影といっても、8bitと10bitの2つのモードがあります。
実際に撮影・編集してみて、僕は10bit一択だなと感じましたので、詳細は下記の記事をご覧ください。
【おまけ】4K撮影について
似たような話題で4K撮影についてもメリット・デメリットを記事でまとめてますので、リンクを貼っておきます。
もちろん「logで4K」っていう合わせ技もありますし、log撮影と4K撮影のデメリットって似てるので、覚悟が決まったらlogで4Kは苦じゃないと思います。
最後に
僕はとにかく事故を防げるというメリットがでかいことから、今後はどんどんlog撮影をしていって経験値貯めていきたいと思ってます。
特に自分のYouTubeチャンネルで実験していかないと、いざクライアントワークでlog撮影してもうまくいかないんで。