「プリプロ」というレコーディングの事前作業がありまして、ドラムの録音が最もハードル高いと思うんですよね。
僕らがプリプロする際にやってるプリプロ用のドラムを録音する方法をご紹介します。
プリプロとは何か
「プリプロ」というのは「プリプロダクション」の略で、制作の事前準備作業のことです。
例えばライブで普段やってる曲をレコーディングしましょうという話になったときに、普段やり慣れてるからと言っていきなりレコーディングスタジオで録れるとは限らないんですね。
実はコードを間違って覚えてたとか、アクセント位置が違ったとか、ライブやスタジオリハーサルでは分かってなかったお互いのパートのことをレコーディング前に知っておく必要がある訳です。
粗を探してつぶしていく作業となるんですが、ほとんどのパートはDTMでどうにかなるので、家で録ってデータのやり取りするだけで済むんですよね。ただドラムがなかなか難しいんです。ドラマーがDTM慣れしてるとも限らなくて、打ち込んでもらうより叩いてもらった方が早いんですよね。
プリプロ用のドラムレコーディング
そんな訳で、僕がプリプロ用のドラムをリハーサルスタジオで録音した際の機材と、その方法についてご紹介していきます。
スタジオに入る前に準備すること
スタジオに入る前に、ドラマーが聴くガイドとなる音源を作っておきましょう。
クリックだけでもプレイできるかもしれませんが、できれば楽曲の進行に迷わないように何かしらの音を入れておいた方が良いと思います。
例えばギターだけ弾いておくとか、ベースを入れておくとか、コード進行をなぞったピアノだけ入れておくとか。
僕はLogic Pro Xに、想定しているトラック分のギターを入れておきました。また、レコーディングで必要となるトラックをプリプロ時点でそろえておきたいので、楽曲によってはピアノ・ベース・歌のガイドメロディなども打ち込みで用意しておきました。トラックが多ければ多いほどドラマーが叩きやすいと思います。
プリプロ用のドラムレコーディングの使用機材
プリプロ用のドラムレコーディングに必要な機材について、まず最初に最小限の機材を考えてみたいのですが、「クリックやガイド音源を流すためのスマホ」と「ドラムを録音するスマホ」の2台で行けると思います。
ただ、この最軽量装備だと「録音する音質がいまいち」という問題と、「用意した音源のクリックだけ音量上げたいときに上げられない」という問題があるんですよね。絶対にクリックだけ音量調整したくなるんですよ。(iPhoneのガレバンなどでガイドを用意できるならそれでもいいですけども。)
というわけで僕が使った機材はこちら。
- MacBook Air
- オーディオインターフェイス:KOMPLETE AUDIO 6
- イヤホン
- リハスタ常設のダイナミックマイクとマイクスタンド
- レコーダー:TASCAM DR-40
MacBook AirでLogic Pro Xを動かします。そこには事前に準備したクリックとガイド音源が入っていて、現場で音量調節ができるようになってます。
オーディオインターフェイスのイヤホンアウトにドラマーが音を聴くためのイヤホンを挿して、クリックとガイド音源を聴きながら叩いてもらいます。
その音をオーディオインターフェイスで録音できるように、リハスタ常設のダイナミックマイクで録音します。マイキングは知識があれば最適化できると思いますが、プリプロ用なので適当で大丈夫です。そこに保険をかけて、TASCAM DR-40というハンディレコーダーを立てて録音しました。実際このレコーダーで録った音だけで済むくらい音質が良いです。
あとはドラマーに叩いてもらうだけ。本チャンではないので、リズムのヨレよりはフレーズ間違えがないように注意してもらった方が良いです。
レコーダーとオーディオインターフェイスについては記事も書いてますので貼っておきますね。
最後に
最初に書きましたが、プリプロを進めるにあたりドラム録りが最も手間がかかるため、録音のハードルを下げておくのは大事だと思うんですよ。
今回はダイナミックマイクを適当な位置に立てちゃったので、レコーダーのDR-40で録った音でほぼ完結した感じでした。あのレコーダーがあればどうにかなっちゃうと考えるとかなり手軽にできるなと感じました。