「なぜギタリストはステージでチューニングをするのか 兵庫慎司が“積年の謎”に迫る|Real Sound|リアルサウンド」という記事を読みました。
ギタリストからしたら考えられないような内容でして、異論反論は大歓迎と書かれてましたので、僕なりに演奏中や演奏前のチューニングが必要かどうか改めて考えてみました。
演奏する前のギターのチューニングについて
記事内から引用してツッコミ入れていきますね。
曲間でボーカルがMCをしている時に、チューニングをしているのはまだしも、客電が消えSEが流れ、ステージに登場してアンプ脇に立てられていたギターを手にし、いきなり1弦ずつチューニングを確かめ始めるギタリスト。みんながみんなそうではないが、けっこうな頻度で目撃する。その間、こっちは演奏スタートを待ってぼーっとSEを聴いていなきゃならないことになる。そもそもギターはきっちりチューニングが合った状態でそこに置かれているはずなわけで、あれ、意味あんの?
当然、意味があります。例えばこんな感じ。
- ステージ袖が狭くてチューニングできなかった(小さいライブハウスでよくある)
- ローディーにチューニングを任せてはいるもののチューニングの精度を信用してない(ちゃんと自分でも確認したい)
- ステージまでギターをケースに入れて持ってきた(僕がよくやるパターン)
- ステージは温度も湿度もステージ袖や楽屋と違うためすぐに狂う可能性がある
- 1曲目ばしっと決めたいから一応目で確かめておきたい
- そもそもそのタイミングでチューニングすることにしてるから事前のチューニングは甘めにしてる
少なくとも僕ならこれくらいは演奏直前にステージ上でチューニングする理由が浮かびます。
ステージ袖が広くて自分でチューニングできて自分で持って行ってそのまま演奏開始する、という状況であればいいかもしれないですけど、ステージ上でチューニングしたくない訳でもないのでわざわざそうしなくてもいいかなと。
あとは楽器のチューニングに対して甘い判断基準でいいのであればいいんじゃないですかね。
僕の場合は演奏直前で絶対にチューニング確認しておきたくなるので、ステージに上がるまではチューニング甘めにしておいて、最後の最後で調整する派です。
チューニングの安定したギターにすればいいのでは?
「チューニングの安定したギターにすればいいのでは?」ということもおっしゃってます。
それにだ。そもそも前提として不思議なのが、ギターってそんなにチューニング狂う楽器なのか? いや、狂うんだろうけど、ならば、狂わないようにできないものなんだろうか。
僕はPaul Reed SmithのModern Eagleを使ってまして、知ってる方も多いと思いますが、大変チューニングの安定したギターです。結構激しい曲やっても狂わないことが多いんですよ。
でもね、狂うときは狂いますよ。やっぱりギターって木でできた楽器ですから、数分で状態変わりますよね。
チューニング狂ってないかもしれないけどもしかしたら狂ってるかもしれないのであれば、チューニング確認しておいた方がいいでしょう。曲が始まって音程おかしいなってなるよりよっぽどいいでしょ。
演奏中、MCや曲間でのチューニング
曲間のMCの時にチューニングをするのも、「あれをやることで心が落ち着く」「ボーカルがしゃべっている間、手持ち無沙汰にならなくてすむ」という理由なのではないかという気がする。
まったくそんなことはないです。落ち着くどころか、MCの尺を気にしすぎて焦ることだってありますよ。次の曲のタイトルコールされて「まだチューニングできてないよー!」って心の中で叫んだことも過去に何度かあります。
演奏によってチューニングはかなり変わりますからMCや曲間でのチューニングは当然必要です。弾いてなくても照明などの環境の変化でどんどんチューニングが狂いますしね。むしろチューニングする数少ないチャンスなので、ここぞとばかりにチューニングします。
セットリスト的に何曲か連続で演奏することがあって、その括りの一番最後の曲くらいではチューニング微妙にずれてるなぁって思いながら弾いてることは多々あります。そんなときは演奏中でも直しますよ。Aメロはギター弾かないからそのうちに直そうとか。
チューニングはしたいからやってるのか?
なぜ彼らはそれをしないのか。チューニングが狂ってもいいと思っているわけではないが、狂ったら直せばいい、と思っているからだろう。とまず思われるが、もうひとつは「ステージの上でチューニングしたい」からなのではないだろうか。
いやいや、チューニングなんてしなくて済むならしたくないでしょ。めんどくさいですよ。僕は少なくともチューニングしないでいいならチューナー外したいです。
やはり必要だからチューナーをステージに持ち込む訳で。場合によってはチューナーのせいで音ヤセすることもありますよね。(つなぎ方を工夫しろっていう話ですけど。)
最近ではPolyTuneという全部の弦を一辺にチューニングできるチューナーもあるのでだいぶ楽になりましたけどね。
最後に
ちなみに、僕はギタリストなのでギターの話をしてきましたが、当然ベースも同じです。チューニング大事!
良い子のギターキッズのみんなはちゃんとチューニングあわせましょうね!