ギターを長年続けていると歪みペダルを乗り換える機会も多く、どれが良い悪いというわけではなくて、その時求めてるサウンドに応じてなにをチョイスするかだと思います。
ただ、どの歪みペダルを選ぶのかという基準は常に持っていまして、「僕なりの歪みペダル選びの基準」をまとめてみました。
歪みペダルの用途を考える
まずどんな歪みペダルを求めているのかを洗い出します。
メインの歪みなのか、ブースターなのか。メインの歪みなら低音弦で厚みを出したいのか、カッティングにエッジを効かせたいのか。幅広い音作りができた方がいいのか、気に入った1点の音が作れたらそこから変更はほとんどしないのか。こんなことを洗い出していきます。
ブースターであれば比較的なんでもよかったりするんですよね。でも「サブの歪みとしても使えるものをチョイスしていざというときはブースターにしたい」というニーズだとまたちょっと変わってきたり。
こうやって用途をしぼっていくと、どんなペダルが必要になるのかが分かりますし、楽器店で店員さんに質問しやすくなります。
僕なりの歪みペダル選びの基準
ある程度用途を絞り込んでいきつつ、その歪みペダルの特徴も洗い出していきたいところなんですよね。
用途によってその特徴が長所にも短所にもなるんですが、どんな歪みペダルでも共通してチェックしている「僕なりの歪みペダル選びの基準」がこちらです。
アンサンブルの中できちんと抜けるかどうか
僕が最重要視しているのが、音抜けの良さです。
歪みペダル単体でなんかいい音っぽいと思っても、バンドのアンサンブルの中できちんと抜けてくれないと困るんですよね。いざリハーサルスタジオに入って弾いてみると何をやってるのかわからなくなっちゃうということは結構あるんですよ。
抜けがいいかどうかというのは「他のメンバーに対して自分はどの帯域の音を出せているか」ということですので、バンドメンバーの出音の傾向と照らし合わせて、自分が出すべき音をしっかりと捉えた上で必要な歪みペダルをチョイスしましょう。
ボリュームの追従性
2番目に重要視しているのがボリュームの追従性。
足元で歪み具合を細かく調整しようとすると、歪みペダルがいくらあっても足らないんですよね。曲によってもまちまちだし、曲の中での場面によってニュアンスが変わりますし。
ボリュームの追従性の高い歪みペダルであれば、手元でコントロールできるので重宝するんですよ。
「ボリュームの追従性」って文字通りギターのボリュームコントロールのことでもありますし、ピッキングニュアンスへの追従性でもあります。エフェクターへのインプットレベルに対してどれくらい反応してくれるかということなので。
これによって「強く弾くとガツンと歪むけど、優しくピッキングするとクリーンなトーンがでる」というセッティングにしておくことで、1つのセッティングで幅広いサウンドを演出できるんですね。
もちろん、歪み具合が足らないと感じたらブースターでも一発かましてあげたらいい訳です。
ボリュームの追従性の高いペダルは上級者への入り口みたいなところがあって、ギター始めたばかりの頃では使いこなせなかったんですが、この歳になってようやくそのうまみを楽しめるようになりました。
音の太さ
音ヤセするエフェクターは論外で、とにかく聞いた感じ音の太さや厚さを感じられるエフェクターが好みです。出音が太い歪みペダルは弾いてて気持ち良いんですよね。
で、この「音の太さ」ってなんだろうって考えたときに、僕が今求めている音の太さっていうのは「原音を殺さない、原音を生かす」っていうことなのかと思ってます。
現在メインで使っているJHS PedalsのMorning Gloryはまさに原音を生かしたペダルで、歪ませていったときに歪み成分の中にきちんとクリーンな弦の鳴りを感じるんですよね。それが音の太さにつながり、また抜けにも通じてると思うんです。
ハイゲインなペダルでゴリゴリに歪むんだけどなんか音が太い感じがしない、って思ったらそれは歪みすぎてるのかもしれないですね。セッティングでなんとかなればいいんですが、ゲインを下げただけで対応できないとしたらその歪みペダルは合ってないんだと思います。
最後に
かなり個人的な視点で歪みペダル選別の基準について語りましたが、共感してくれるギタリストも多いんじゃないかと思います。
現時点ではMorning Gloryがお気に入りです。音抜けの良さ・ボリュームの追従性の高さ・音の太さと三拍子そろった質の良い歪みペダルですね。
Morning Gloryはそこまでがっつり歪むわけではないので、ゴリっとしたサウンドを求めてる方はAngry Charlieがおすすめです。JHS Pedalsはボリュームの追従性が特徴なので、こちらも弾いていて気持ちの良い歪みペダルですよ。